日が沈む時間が早まる冬の季節は、夜にエクステリアをおしゃれに魅せる絶好の機会。
また、外構における照明は防犯や安全を守るという非常に重要な役割を持っています。
外構デザインをプランニングしてお客様へ提案する際、比較的照明は省かれてしまう傾向にありますが、実はその照明が外構デザインの良し悪しを決める要素の一つ。
害虫や電気代の問題もありましたが、今ではLED照明が主流なので、そういった心配はなくなりました。
そこで今回は照明をうまく使い、よりおしゃれな外構にするためのポイントと実際の施工例お伝えしていきます。
照明計画のポイント4つ
ポイント1 明るすぎない照明を選ぶ
明るすぎる照明を選ぶと、少し下品なイメージになってしまう、または光害になってしまう可能性があります。暗闇を明るく照らす照明ですが、できるだけ柔らかく心地よく照らしてくれる照明を選びましょう。
ポイント2 過度に照明器具を配置しない
過度に照明を配置すると結果的に全体が照らされ、照明の持つ演出効果が損なわれてしまいます。門袖やアプローチ、屋根や植栽など、照らす対象物を把握し、適切な数と配置を心掛けましょう。
ポイント3 植栽をうまく活用する
植栽もまた、省かれる傾向にありますが、お庭を彩る上で欠かせないのが照明と植栽です。
植栽は、昼間はもちろん、夜もライトアップすることで陰影の効果が高まり、より高貴で上品なイメージを演出してくれます。少しでも植栽を配置することをオススメします。
ポイント4 エクステリアの素材感を活かす
石材を使用したり、凹凸のある素材を使用したエクステリアの場合、上または下から照らすことで、その凹凸がより鮮明に際立ち、幻想的な雰囲気を醸し出します。せっかくなら夜間もエクステリアを楽しみましょう。
照明を使った実際の施工例
「昼間」
ジョリパット(※1)で仕上げをし、透け感を出すため中央にスリットを入れ、アクセントに石材を使用した門袖。下部、アプローチ付近に植栽を配置し、昼間はモダンで落ち着いた雰囲気を演出。
「夜間」
バランス良く配置された照明が昼間とは違い、より幻想的な雰囲気を演出。ジョリパット(※1)や石材の質感が、下からスポットライトで照らすことで、より際立つ印象に。植栽も下から照らすことで、昼夜問わずアイストップ(※2)の役割を果たしています。アクセントとして、アプローチ脇にエクアライブの「一条の光」を差し込み、防犯面でも効果的となっています。
「昼間」
ベージュとブラウンを貴重としたモダンベーシックなデザイン。門袖にはエクアライブのガラスパネルを使用し、適度な透け感を演出しています。門袖の向かいには背の高い植栽を配置することで、お庭のアイストップに。
「夜間」
昼間はあまり見えなかったガラスのデザインが浮かび上がり、煌びやかさを演出。背の高い植栽でダイナミックなイメージを。足元にはフットライトを配置し、安全性を高めています。これなら防犯面もしっかりとカバーできます。
「昼間」
純和風な建物に、あえてリクシルのプラスGを使用し、和モダンテイストな門回りに。 両脇に背の高い詳細を、足元に背の低い詳細をバランスよく配置。繊細さの中に荘厳なイメージを演出しました。
「夜間」
フレームにダウンライトを仕込むことで、光を演出するツールへと変化。もちろん植栽は、下からの光だけで抜群の存在感を放っています。駐車スペースの脇にある植栽と塀にも照明を施すことで、目に入った瞬間から幻想的なイメージに。クローズド外構(塀に覆われた庭)ではありますが、この照明効果で防犯性をより高めています。
※1 ジョリパット・・・砂などを塗料に混ぜたモルタル外壁用意匠性塗材のこと
※2 アイストップ・・・目線を引き付けるために意図的に配置されたもの
まとめ
おしゃれ=ライティングという方式はお庭にも当てはまります。ライトアップすることで、昼と夜で全く別の顔を見せてくれるお庭。ディーシーズではライティングにも拘ったデザインを提案させていただきますので、是非お気軽にお越しください。
この記事を書いた人
吉村紀之(Yoshimura Noriyuki)
ディーシーズ代表取締役。
エクステリアの業界に携わること24年。エクステリアコンテストで数多くの受賞歴を持つエクステリアプランナー。